2016年2月1日月曜日

マイクロファイナンスのサービスについて

ケータリングのお店を営んでいるお母さん

サロンを経営しているお母さん(中心)

現在西ジャカルタのあるNGO団体でインターンをして
いるのですが、団体の活動内容について少しずつお伝え
していきたいと思います。

今回、マイクロファイナンス(小口金融)についてです。
マイクロファイナンスとは、貧困者向けの小口融資や貯蓄などの
サービスを提供し、彼・彼女らが事業の運営に役立てて、
自立し、貧困から脱出することを目指す金融サービスです。
(引用:http://www.planetfinance.or.jp/microfinance/

現在、私が所属している団体でもマイクロファイナンスを
実施していますが、マイクロファイナンスは非営利ではなく、
一つの会社なので、NGOとは切り離して会社運営して
います。
マイクロファイナンスというと、銀行からの融資を受けられ
ない貧困層の人達を対象としているので、ボランティアや
開発援助のようなイメージがあるかもしれませんが、列記
とした金融機関です。
今年はどれ位拠点を増やして顧客を増やすのかといった
事業目標も立てられています。

-組織について

今回お世話になっている会社には1つの支店に
4つのユニットがあり、1ユニット当たり以下の
人数で構成されています。
(インドネシアに9つの支店があります)

スーパーバイザー1人、
ファイナンス1人、
シニアローンオフィサー2人、
ローンオフィサー7人

スーパーバイザーは長年ローンオフィサーの経験が
ある人で、ユニット全体の管理を行います。
ファイナンスは、貸付金の準備、帳簿の管理、データ
のチェック等々を行います。
ローンオフィサーは、実際に顧客の家を回りながら
定期的にグループミーティングを開いたり、お金を
回収したり、新規顧客を開拓したりします。
また、顧客の相談に乗り、顧客と良好な関係を保つ
こともローンオフィサーの大事な仕事です。

-サービスについて

どのようなサービスがあるのか少しお伝えします。

①融資
初めてマイクロファイナンスを利用する場合は、
1,000,000ルピア(1万円)借入れができます。
4ヶ月が1ピリオドとなっていて、1ピリオドの期限内に
借入金を返済します。
期限内に返済できたら、さらに大きい金額の借入れ
が可能となるので、金額が大きければ大きいほど、
信用が大きいことになります。
返済できない場合は、Tanggung renteng(連帯責任)
となります。
マイクロファイナンスで融資を受ける場合、10人以上
の人を集める必要があり、1人が返済できないときは
他のメンバーがそれをカバーします。
Tanggung rentengは、2回までと制限があり、2回を
超えた場合は、グループ全体で借入をやめるか
メンバーを変更しなければなりません。

②預金
借入金を返済しながら、預金ができます。
個人毎に預金したい金額をローンオフィサーに
預けます。
1ピリオド(4ヶ月)が終わったら、預金額をクライアント
に返します。
貯金することによって、最低限必要な分だけ使って、
残った分は将来に回すことができます。
預貯金は、私たちにとっては当たり前のことかもしれ
ませんが、新興国には銀行口座を持っていない人も
沢山いて貯金するということが一般的でないです。

③保険
借入金の1%は、マイクロインシュランス(小口保険)
に充てられ、火災・死亡の場合にのみ適用されます。
お伺いしたあるグループでは、12月に火災があり、
3件の家が被害にあい保険が適用されました。
保険金額も大きくないので、全てを補填できる訳で
はないですが、あるクライアントは「誰か気にかけて
くれる人がいるというのが、とても有り難いし心強い」と
言っていました。
保険を適用するにあたって、ローンオフィサーが
親身になって話を聞いてくれるので、そのことが
お母さん達の救いにもなっているのだと思います。
ローンオフィサーとクライアントは、貸付人と借入人
という関係だけではなく、絆が強い親しい友人の
ような印象をうけました。ローンオフィサー達は、
情熱と誇りを持って仕事をしているようにみえます。

正面に見える場所で火災がありました
現在家を建て直しています

-今の課題

今までマイクロファイナンスの顧客管理を紙で行って
いましたが、業務効率化の為にITシステムを試験導入
しています。
ところが、現在はクライアント先では紙と電卓を使って
顧客管理を行い、会社に戻ってきてからシステムに打ち
込むという二重管理となっています。
アンドロイドのアプリを開発中とのことで、アプリができ
れば訪問先でシステムへの情報入力が可能となるので、
二重メンテナンスは必要なくなります。
ITシステムでの顧客管理によって、業務効率化が進めば
更に多くの人が金融サービスを受けれることにもなる
ので、アプリ開発を急いでいます。

ローンオフィサーの一日の仕事については、
また報告します^^

1 件のコメント:

  1. インドネシアのマイクロファイナンスについて調べていたら、このブログに辿り着き大変参考になりました。 実に体当たり感が伝わって来ます。 これからも頑張ってください! 

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