2016年2月25日木曜日

喫煙大国インドネシア

ジャカルタやデポックでは若者がたばこを吸っている姿をよく目にします。
たばこのパッケージに肺が真っ黒になっている写真等掲載しているものの
価格は安く、収入が低くても手の届く価格で、抑止力はあまりなさそうです。
価格は一箱150円~200円程度です。

驚いたのは、喫煙に関して政令はあるものの罰則がほとんどないということ。
近年18歳未満と妊婦へのたばこの販売を禁じる規制ができたものの、
罰則規定が定められていないそうです。

日本でもインドネシア在住の2歳児の喫煙男児が話題になりました。
2010年に取り上げられたアルディ・リザルくんは、ここ最近治療を
受けて禁煙に成功したと報じられていました。
しかしリザルくんは一例で、インドネシアでは未だに10歳になるまでに
3人に1人が喫煙を経験しています。

政府も禁煙に関しては消極的で、世界160カ国以上が加盟する世界保健機関
(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」に東南アジアで唯一加盟していません。
喫煙率は15歳以上の男性で67%で世界一位です。
http://top10.sakura.ne.jp/WHO-M-Est-cig-curr-Male.html#areaIDN
世界ランキング-国際統計格付センター-より)

若者がよく目にするサッカーやバトミントンの試合、音楽イベントもたばこメーカーが
スポンサーとなっていますし、長者番付トップ10に3つもたばこ関連の会社がランク
インしていて、たばこが社会に深く根ざしていることがうかがえます。
(Global blog~世界の社窓から~http://ameblo.jp/hilogu/entry-11656937515.html

たばこ産業で働いている人も多く、たばこ税が政府の収入源になっていることも
あり、すぐに状況を変えることは難しいかもしれませんが、特に青少年や子ども
については一日も早く喫煙者を減らす必要がありそうです。
このリザルくんも元々父親がたばこを与えたことがきっかけでヘビースモーカー
になってしまったとのことですが、それがまかり通っていることに違和感を
覚えます。(日本で2歳児にたばこをすわせた父親は逮捕されています)
法の整備と合わせて人々の意識を変えるよう働きかけることも必要のようです。

2016年2月19日金曜日

就職フェアに参加しました


西ジャカルタのSeason mallで開催された就職フェアに
参加しました。
この度、インターン先では、人事、教員、マイクロファイナンスの
指導員を募集しました。

日本の就職フェアとの違いは、黒スーツを着ている人が
いないこと。基本的に私服です。↓
 
 
各社ブースが設けられていて、それぞれのブースで
会社説明を行ったり、パンフレットを配布したりします。↓
 
その場で1次面接も受けられるようになっていました。
私もブースに立ち寄ってくれた人に募集要項の説明を
行いました。
また、英語教員志望の方の面接官もさせてもらいました。
持ってきて頂いた履歴書をみながら自己紹介や志望動機に
ついていくつか質問させて頂きました。
同僚が面接を行っている写真です↓

残念ながら私たちのブースはスピーカの真横で、
POPな洋楽が大音量で流れ続けていた為、面接終了後
全員のどを痛めてしまいましたTT インドネシアらしいです。

こんな災難にも見舞われましたが、最終的に2人程収穫が
あったようで、人事担当者も満足そうでした。
内1人は最終面接も通過し、今週から私の隣の席で勤務して
います。
 
教員やマイクロファイナンスの指導員はまだ不足しているようで、
団体に適した人材、優秀な人材を引続き採用していく予定です。
ただ現在は各部門から採用ニーズがあれば、ニーズに合ったスキルを
持ってる人を採用するという状態になっていて、団体が求める人物像や
採用の制度はまだできていないので、採用制度をきちんと整えていくことも
団体としての今後の課題です。


2016年2月10日水曜日

2月8日はイムレック(春節・中国正月)

2月8日はイムレック(春節・旧正月)で祝日でした。
6つの宗教が国教として認められているインドネシアには、
新年が4回あり、全て祝日です。
宗教・民族に対する寛容さが伺えます。
(宗教に寛容ですが、一日5回コーランが町中に響き渡るのが
不思議です・・・笑 )

4つの新年は以下の通りです(2016年カレンダーより)↓
1.太陽暦のお正月 1月1日
2.イムレック(中国正月) 2月8日
3.ニュピ(ヒンドゥー新年) 3月9日
4.イスラム新年 10月2日

イムレックの日は、西ジャカルタにある中国寺院「金徳院」に多くの
参拝者が集まります。
金徳院は昨年3月に火災があり、本堂が全焼しましたが、イムレック
の日は参拝客でにぎわっていたようです。
この日アンパオ(お年玉袋)を子ども達に渡すのが慣わしです。
子ども達は赤い服を着ます。

私がいるオフィスにも、華僑がたくさんいるので、昨日は春節で
残ったお菓子を頂きました。


じゃかるた新聞
http://www.jakartashimbun.com/free/detail/28707.html

2016年2月9日火曜日

学校について

日本では無償化されている義務教育。
インドネシアでは、政府が義務教育の無償化を進めようとはしている
ものの、実際には多くの学校が有料となっています。
学校教育は日本と同じ6・3・3制で、中学までが義務教育です。
教育については、地方分権化になっていて、地方政府が担当する
ことになっているようです。

現在、小学校の就学率は90%以上、中学校の就学率は80%以上と
なっていますが、両親の仕事を手伝ったり、道で物売りをしている子ども
もまだまだ沢山います。
深夜12時頃になっても道で子どもがティッシュやスナックを売っていたり、
ウクレレのような楽器を弾いていたりするので少し異様な光景です。。
ジャカルタの町は発展していくのに、一部の人は取り残されている
ような雰囲気です。

また、学校にはステータスがあり、①通常校(Sekolah Regular)、
②全国標準校(Sekolah Standar Nasional: SSN)、③国際標準準備校
(Rintisan Sekolah Berstandar Internasional: RSBI)、④国際レベル校
(Sekolah Bertaraf Internasional: SBI)にカテゴリー分けされています。
政府は、全国標準校クラスを目指すべき学校のレベルと位置づけて
いますが、実際は通常校レベルに留まっています。
③④の優良校の教育を受けようと思うと、学費がかなり高くなります。
お金持ちは良い教育が受けられて、お金がなければいい教育が
受けられないような構図になっています。
このままでは、貧富の差が益々開いていきそうです。。

参考:「インドネシアの学校教育と高い学費」
https://www.indonesiasoken.com/pdf/FREE_009_110718_.pdf

貧困層の子どもを対象にした学校を運営しているNGOも
沢山ありますが、現在所属している団体が提供しているクラス
についてご紹介します。

-Rumah Belajar : Paket A, B, C(パケットA,B,C)
小学校、中学校、高校にあたります。
 通常校の授業を提供しており、月謝は1ドルです。
追加で以下のパソコンクラスや英語クラスを受ける場合、
無料になります。

-Computer Class
パソコン塾で、上記のRumah Belajarに通う生徒は無料です。
Rumah Belajarに通っていない生徒は有料で受講可能です。

-English Class
英語の塾です。
同じくRumah Belajarに通う生徒は無料です。
Rumah Belajarに通っていない生徒は有料で受講可能です。

-Rumah Jahit
裁縫を学ぶ学校です。ここで作られた商品はSNSや雑貨店で
販売しています。

-Rumah Chantik
ヘアカット、ヘアセット等の美容関連のスキルを身につける学校です。
4ヶ月で終了するプログラムとなっています。

-Rumah Mekanik
家電、スマートフォン、バイクの修理等を学ぶことが出来ます。

-Rumah Batik
バティックというろう染めを学ぶ学校です。
この学校はジャカルタにはなく、プカロンガンという地域で
のみ開講しています。

-Pack&Go
車の中でパソコンの授業が受けられる移動式のクラスです。
農村部に出向いて、パソコンのクラスを開講しています。

修了後、実際に大手バイクメーカーや家電メーカーに就職している
例もあります。何かスキルを習得することで、より安定した生活を送る
ことが出来ますし、自信につながるという点も大きいと思います。

義務教育については、無償化についても教育水準についても
最優先で進めていくべき課題だなと感じます。

2016年2月3日水曜日

ローンオフィサーの一日

ローンオフィサーの仕事に同行させていただきました。

9:00 社内ミーティング
一日は、ローンオフィサーの社内ミーティングからはじまります。
昨日の業務報告、問題報告、今日の目標等情報共有を行います。
シニアローンオフィサーがリーダーとなって、業務報告を聞き
ながら昨日の回収金額、問題点を顧客ノートにメモしていきます。
とても和やかな雰囲気ながらもてきぱきと進められていました。
最後にお祈りをして解散です。
(インドネシアでは、このようなミーティングの最後にお祈りをする
のが一般的です。)


10:00 それぞれのクライアントのもとへと出発。
細い入り組んだ道を通るので、基本的にバイク移動です。
渋滞の多いジャカルタでは、バイクが本当に重宝します。
ローン回収のみの場合は、1日8件、グループミーティングを
実施する場合は1日最大4件まわります。


融資を実施するにあたって、グループミーティングは全部で5回行われます。
1. Information Meeting(マイクロファイナンスについて説明)
2~3. Orientation Meeting(オリエンテーション)
4. Evaluation Meeting(返済能力があるか査定)
5. Distribute Meeting(融資実施)

この度、5回目のDistribute Meetingに同行しました。
すでに17ピリオド(1ピリオド4ヶ月)のクライアントだったのですが、
大家族のような温かい雰囲気の中、グループミーティングが
行われました。
まずは、一人ずつ名前を呼んで、前回のピリオドの貯金を返金します。
お金を渡す際は、IDカードを確認します。

今回の融資を実施するにあたって、規定内容、グループリーダー・メン
バーの確認を実施します。借入の3原則(↓)についても確認します。

①Honesty(誠実・正直であること)
②Responsibility(責任をもつこと)
③Fulfill the promise(約束を守ること)

Tanggung renteng(連帯責任)についてもここで再確認します。

その後、ローンオフィサーが再度一人ずつ名前をよんで、
借入金を渡します。クライアントに渡す金額からあらかじめ
利子分が引かれています。


全て終わったら、お母さん達が用意してくれているご飯を一緒に頂きます。
お母さんのお店で販売している料理とジュースを振舞って頂きました。
ミーティングの度に食べ物を用意してくれるので、ローンオフィサーの
仕事を続けていると太るといっていました^^;


お母さん達にどんな事業をしているのか聞くと、飲食の販売が
多かったですが、その他にも色々な商売をしていました。

例えば、
・携帯のデポジットを売る仕事
・洋服販売
・コーヒーやインドミーを売る屋台
・インドネシア料理屋
・リサイクルショップ
・カーペット販売
・先生+服、ケーキ販売
・八百屋+マッサージ
・コスメ販売 等です。

複数の商売を掛け持っている方もいます。
エネルギッシュで明るい人が多くて、皆さん商売を楽しんで
いるように感じられました。
マイクロファイナンスを利用することで、仕入れる商品の幅が
広がって収入も増えていると言っていました。

16:00 帰社。顧客データをシステムに打ち込む。
今はシステムへの移行期なので、帰りが以前より作業が増えていて
帰りが遅くなっているとのことです。。

19:00 帰宅。

お会いしたローンオフィサーの中には、母親がマイクロファイナンスを
利用していたという方もいました。
ローンオフィサー達は、自身の仕事について、お母さん達の商売が
うまくいっているのを見るとやりがいを感じる、あと毎回ご飯を食べ
れるのも良いと言っていました^^
全てのケースでうまく機能するとは言えませんが、実際に利用者に
話を聞くとマイクロファイナンスが機能していて多くの人の生活向上
の糧になっているということが感じられました。

2016年2月1日月曜日

マイクロファイナンスのサービスについて

ケータリングのお店を営んでいるお母さん

サロンを経営しているお母さん(中心)

現在西ジャカルタのあるNGO団体でインターンをして
いるのですが、団体の活動内容について少しずつお伝え
していきたいと思います。

今回、マイクロファイナンス(小口金融)についてです。
マイクロファイナンスとは、貧困者向けの小口融資や貯蓄などの
サービスを提供し、彼・彼女らが事業の運営に役立てて、
自立し、貧困から脱出することを目指す金融サービスです。
(引用:http://www.planetfinance.or.jp/microfinance/

現在、私が所属している団体でもマイクロファイナンスを
実施していますが、マイクロファイナンスは非営利ではなく、
一つの会社なので、NGOとは切り離して会社運営して
います。
マイクロファイナンスというと、銀行からの融資を受けられ
ない貧困層の人達を対象としているので、ボランティアや
開発援助のようなイメージがあるかもしれませんが、列記
とした金融機関です。
今年はどれ位拠点を増やして顧客を増やすのかといった
事業目標も立てられています。

-組織について

今回お世話になっている会社には1つの支店に
4つのユニットがあり、1ユニット当たり以下の
人数で構成されています。
(インドネシアに9つの支店があります)

スーパーバイザー1人、
ファイナンス1人、
シニアローンオフィサー2人、
ローンオフィサー7人

スーパーバイザーは長年ローンオフィサーの経験が
ある人で、ユニット全体の管理を行います。
ファイナンスは、貸付金の準備、帳簿の管理、データ
のチェック等々を行います。
ローンオフィサーは、実際に顧客の家を回りながら
定期的にグループミーティングを開いたり、お金を
回収したり、新規顧客を開拓したりします。
また、顧客の相談に乗り、顧客と良好な関係を保つ
こともローンオフィサーの大事な仕事です。

-サービスについて

どのようなサービスがあるのか少しお伝えします。

①融資
初めてマイクロファイナンスを利用する場合は、
1,000,000ルピア(1万円)借入れができます。
4ヶ月が1ピリオドとなっていて、1ピリオドの期限内に
借入金を返済します。
期限内に返済できたら、さらに大きい金額の借入れ
が可能となるので、金額が大きければ大きいほど、
信用が大きいことになります。
返済できない場合は、Tanggung renteng(連帯責任)
となります。
マイクロファイナンスで融資を受ける場合、10人以上
の人を集める必要があり、1人が返済できないときは
他のメンバーがそれをカバーします。
Tanggung rentengは、2回までと制限があり、2回を
超えた場合は、グループ全体で借入をやめるか
メンバーを変更しなければなりません。

②預金
借入金を返済しながら、預金ができます。
個人毎に預金したい金額をローンオフィサーに
預けます。
1ピリオド(4ヶ月)が終わったら、預金額をクライアント
に返します。
貯金することによって、最低限必要な分だけ使って、
残った分は将来に回すことができます。
預貯金は、私たちにとっては当たり前のことかもしれ
ませんが、新興国には銀行口座を持っていない人も
沢山いて貯金するということが一般的でないです。

③保険
借入金の1%は、マイクロインシュランス(小口保険)
に充てられ、火災・死亡の場合にのみ適用されます。
お伺いしたあるグループでは、12月に火災があり、
3件の家が被害にあい保険が適用されました。
保険金額も大きくないので、全てを補填できる訳で
はないですが、あるクライアントは「誰か気にかけて
くれる人がいるというのが、とても有り難いし心強い」と
言っていました。
保険を適用するにあたって、ローンオフィサーが
親身になって話を聞いてくれるので、そのことが
お母さん達の救いにもなっているのだと思います。
ローンオフィサーとクライアントは、貸付人と借入人
という関係だけではなく、絆が強い親しい友人の
ような印象をうけました。ローンオフィサー達は、
情熱と誇りを持って仕事をしているようにみえます。

正面に見える場所で火災がありました
現在家を建て直しています

-今の課題

今までマイクロファイナンスの顧客管理を紙で行って
いましたが、業務効率化の為にITシステムを試験導入
しています。
ところが、現在はクライアント先では紙と電卓を使って
顧客管理を行い、会社に戻ってきてからシステムに打ち
込むという二重管理となっています。
アンドロイドのアプリを開発中とのことで、アプリができ
れば訪問先でシステムへの情報入力が可能となるので、
二重メンテナンスは必要なくなります。
ITシステムでの顧客管理によって、業務効率化が進めば
更に多くの人が金融サービスを受けれることにもなる
ので、アプリ開発を急いでいます。

ローンオフィサーの一日の仕事については、
また報告します^^