以前大学で開催されたジャズコンサートのときも
帰る頃には歩くところがないくらいゴミで溢れていました。
ゴミの分別もありません。
燃やせるゴミ(と判断されたゴミ)を、各家庭で焼いている
姿もよく見かけます。
ジャカルタ中心部から2時間程東に進んだところにある
ブカシのバンタルクバン地区。ここにはゴミ処理場があり、
そこでレジ袋などのプラスチックを拾って生計をたてている
人達がいます。
バンタルクバン地区、車を降りると何とも言えない異臭が
漂っています。飛び交うハエの多さにもびっくりします。
写真の奥に見えるのはゴミの山です。
山の麓にバロック小屋を立てて生活しています。ゴミ処理場の近くにあるPKBM AL FALAHという学校で
週末日本語を教えているインドネシア人がいるということで
訪ねました。
PKBM AL FALAHは、学校としては認可されておらず各種
学校ような扱いです。PAKET A~Cと3つのレベルがあり、
初等教育から中等教育までのクラスがあります。
週末の日本語クラスは、日本への留学経験があるインドネシア
人が4年前から始めている活動です。先生方は、平日は一般企業で
働いて、週末この学校で日本語を教えています。
「何か一つ自信に繋がるスキルを身に付けさせてあげたい。」
「日本語教育を通じて、子ども達の人間力を育みたい」
とおっしゃっていました。
4年前にプロジェクトを始めた当初は子どものケンカが耐えな
かったのだそうです。。ひどいときは、男の子が自分の靴下
を女の子の口に入れたこともあったとか;
今の生徒たちは、皆協力しあって日本語を熱心に学んでいました。
私が担当した女の子ユヤニ、デウィ、ピピッの3人は、みんなひらがなの
勉強を楽しみながら一生懸命とりくんでいました。
唯一の男の子ハディも女の子にまざって頑張っていました。
笑顔が無邪気でかわいくて、周りに対する気配りもぴかいち。
授業後にジュースを皆に配り歩いたり、率先して机をしまったり。
みんなの弟分という感じでした。
どうか勉強を続けてゴミ山の生活から抜け出して欲しいと思います。
中学生や高校生になると、学校に行かせずに一緒にゴミ拾いをさせる親も
多く、教育を続けるのが難しくなるとのこと。家計を支えたいからと
みずから勉強をやめてしまう子ども達もいます。
先生たちも様々な事情でリタイアする子ども達を何人も見てきていて、
その度に胸が痛むとおっしゃっていました。
授業の最後に、先生のギターに合わせて「虹の少年たち」の主題歌を
みんなで日本語で歌っていました。歌詞を見ずに歌える子もいました。
虹の少年たちの歌詞↑
来年には高校生になる子がいて、その子を一般の高校に入学させる
ことが先生たちの直近の目標です。また、
「この学校の生徒の中から日本語のコンクールで優勝する子どもを
出したい」とのことでした。
教育を受けれることが当たり前じゃない、学校に行ける環境も整って
いない、そんな中で教育活動を続けるのは大変なことだと思います。
授業の中で、日本での経験を話すことで子ども達の知らない世界を
見せようとしている先生の姿と、楽しそうに先生の話を聞く生徒達の
姿が印象的でした。